生地が縮む原因と対策

天然素材の生地が縮む理由

天然繊維の生地は水分を吸うことにより縮む性質がありますが、ポリエステルなどの合成繊維は吸湿性がなく縮みにくいという特徴があります。「収縮」するのは、生地が生きていて、優れた吸湿・吸水性を持つ証ともいえます。

生地を洗濯したときに生地が縮む割合のことを「縮率」といいます。生地の縮率は素材、織り方によっても変化します。この縮率を考慮し、布団のサイズとの兼ね合いを考えてカバーを選ぶのが失敗しないコツです。生地の縮み方は以下のようなイメージです。

・1~2回目の洗濯で大きく縮む。
・3回目以降からは縮みが少なくなります。

麻素材、綿素材の布団カバーの縮率はおよそ以下のようになります。あくまで目安ですがご参考ください。

■麻:最大約3~6%
※リーノ

■麻(洗いざらし):最大約3~5%
※リーナ

■綿:最大約3~4%
※エトワール・ノーブル

■綿(ガーゼ):最大約3~5%
※和晒しガーゼ・オーガニックコットン

例えば、収縮率が3%の場合、ヨコ100cm×タテ200cm×マチ30cmのベッドシーツは何cmに縮むのか計算してみましょう。

100cm×0.03=3cm
100cm-3cm=97cm
ヨコは97cmに縮みます。

200cm×0.03=6cm
200cm-6cm=194cm
タテは194cmに縮みます。

30cm×0.03=0.9cm
30cm-0.9cm=29.1cm
マチは29.1cmに縮みます。

また、お洗濯の仕方によっては、予想以上に大きく縮むこともあります。次は、その原因と理由をお話します。

 

乾燥機はご使用いただけません

洗濯した布団カバーの乾燥に乾燥機を使ったら、縮んでマットレスや敷布団が入らなくなったというご経験をしたことがある人も多いと思いますが、なぜ乾燥機を使うと縮んでしまうのでしょうか。

布団カバーによく使われる素材である綿や麻などの天然素材は乾燥機を使うと縮みやすい性質があります。

実は、縮むのは乾燥中ではありません。乾燥機で熱せられた高温の熱が冷めていくときに縮みます。さらに、乾燥機の中に放置することで、ますます生地の縮み具合が進んでいきます。

天然素材の生地の品質を保つ為にも、乾燥機のご使用はお控えください。 陰干しでゆっくりと自然乾燥させることで生地へのダメージを最小限に抑え、長くご使用いただけます。

 

脱水の仕方にご注意ください

この乾燥機による縮みよりもさらに縮む原因となるのが「脱水」です。

脱水によって生地が雑巾絞りのような状態に捻じれていき、水分が抜ける度に、繊維の撚り(より)が狭まっていくことで、生地がどんどん縮み小さくなっていきます。

ではどうすれば脱水による大きな縮みを防ぐことができるのでしょうか。次は、その対策についてお話します。

 

控え目の脱水と自然乾燥

洗濯機は、年々性能が良くなりハイパワーになっています。 洗濯機のパワーが強ければ脱水の威力も強く、水分を限りなく飛ばしてくれるので早く洗濯物が乾きます。

しかし天然素材のように、激しい脱水により縮んでしまう物もあります。では、脱水はどのようにして行えば良いのでしょうか。

それは、「控え目に脱水する」という事です。 激しく水分を飛ばしてしまう事が縮みの原因になりますので、できるだけ脱水は時間を短くするなどして控え目に脱水するようにしましょう。

そして、干す際にパンパンとはたくようにしてしっかりと生地を延ばして形を整えて干すとシワも取れ、縮みや型崩れを防ぐことができます。

ほこりの付着や生地の劣化を防ぐ為にも長時間干す事はおすすめできません。

 

もし縮んでしまったら

縮んでしまったときは、生地を引っ張りながら延ばすようにアイロンをかけると生地が少し戻ります。素材の風合いを保つ為にも当て布をおすすめします。

 

まとめ

1.洗濯の際、布団カバーのファスナーを閉じましょう。
2.他の洗濯物と分けて、カバーを裏返しにして洗濯ネットに入れて洗濯をしましょう。
3.控え目に脱水しましょう。
4.乾燥機は使用しないでください。
5.しっかりと生地を延ばしてから自然乾燥させてください。

麻や綿などの天然素材の場合は、以上の5つのポイントに注意をすると縮みを防ぐことができますので、ぜひお試しください。

生地のキズや劣化の原因にも繋がりますので、布団カバーのファスナーは閉じて「洗濯ネット」に入れて洗濯しましょう。最近では100円ショップでも様々なサイズが販売されています。寝具用の大きめのネットをご使用ください。

また、洗濯の際には、山折り・谷折りの順に折る、蛇腹折りにたたむと、全体に洗剤と水分がいきわたり汚れが落ちやすくなります。